こんにちは。
土曜日から日本列島は寒気に見舞われ、、奄美大島では115年ぶりの雪だとか。
沖縄では、海水温が下がり、魚が仮死状態に・・・。
噂では聞いていたけど、本当なんだと、びっくり。
さて、そんな寒い日曜日、私大阪までとある講義を聴講しに行ってまいりました。
「香りの民俗学 香りの美学」
香りのデザイン研究所所長の吉武利文先生の講義です。
吉武先生は、富山県立山博物館や宮城県感覚ミュージアムの香りの企画・演出、三重県の「橘の香りによるまちづくり」の企画案。
そして、あのセカオワの野外コンサートでの香りの演出等をされている方です。
今回の講義は、日本固有の橘を中心に日本人がどのように感じでいたのか、そして後半では、香りの環境演出について、
講義されていました。
本日は、橘についてお話したいと思います。
実は、日本固有の柑橘種は橘と沖縄のシークヮーサーだけだそうです。
橘は、学名をcitrus tachibanaで、西洋のエデンの園の智慧の木に相当するものだそうです。
そして、古代日本では神聖な植物とされていたそうです。
垂仁天皇が田道間守(たじまのもり)に命じて常世の国(エデンの園のようなところ)に遣わして、非時香果(ときじくのかぐのこのみ)
を求められていたそうです。これが橘だそうで。
この橘は不老不死の果実ともいわれているそうです。
そして、橘は日本の四大姓名の一つだそうです。
源氏、平家、藤原、橘。
橘以外の姓は権力を手にしましたが、橘だけは、権力を手に入れることがなかったそうです。
現代、橘は権力と対極にあるもの、文化的なものとして、文化勲章のシンボルとして橘が使われているとのこと。
その橘と初めて名乗った人が、県犬養橘三千代という女性でした。
この女性は、今でいうキャリアウーマンで、政界でも活躍していたとのこと。
その夫は藤原不比等。その娘が聖武天皇の后、光明皇后です。
この光明皇后は、日本で最初のセラピストと言われても良い方です。
光明皇后は、困窮者千人の垢を自ら洗うと誓いをたて、後一人となったとき、みすぼらしい膿だらけで悪臭を
放った人が現れ、皇后は垢をとってあげたとき、その人が「膿を吸って病気を治してほしい」と言われたので、
膿を口で吸い取ってあげたところ、あしゅく如来になって姿を消したそうです。
また、古今和歌集では、詠み人知らずで、橘の香りを嗅ぐと、故人の袖の香りを思い出すとも
言われています。
京都の御所の紫宸殿には、左近の桜、右近の橘とがそれぞれ植わっています。
橘は桜と同じくらい、古代日本人の精神的に重要な存在です。
しかし、その橘は、今では絶滅危惧種だそうで、日本人の源を絶やさないようにしたいものです。
ちなみに、橘は昔はスィーツで、スィーツの神様と言われているそうです。
橘をご神木にしている神社では、製菓会社がお参りしているそうです。
Nurseryは柚子が主力商品ですが、同じ柑橘系として、とても親近感がわきます。
皆様も、橘の存在を少しでも、感じてみてください。
日本のルーツですから。